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TSMCがA16プロセス発表、オングストローム時代に【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年4月26日_記事番号:T00114991

TSMCがA16プロセス発表、オングストローム時代に【図表】(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は米国時間24日、次世代1.6ナノメートル製造プロセスに相当する最新の製造プロセス技術「TSMC A16」を発表した。人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)向けで、ライバルのインテルやサムスン電子の1.4ナノより1年早く2026年から量産する計画だ。TSMCは、「ナノ(N)」時代に終わりを告げ、「オングストローム(Å、0.1ナノメートルを示す単位)」時代に突入したと宣言した。26日付自由時報などが報じた。

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 TSMCは米国時間24日、米国カリフォルニア州サンタクララで30周年の技術フォーラムを開催し、2000人が集まった。5月14日に欧州で、23日に台湾で開催する。

 TSMCは、今後の製造プロセスはナノの「N」ではなくオングストロームの「A」を使うと説明した。

 魏哲家(シーシー・ウェイ)・総裁は、AIは今後データセンターだけでなく、パソコンやモバイル端末、自動車、モノのインターネット(IoT)にも組み込まれると指摘し、TSMCは世界最先端の半導体製造技術や3次元IC(3D IC)技術で、顧客のAIの夢を実現すると語った。

 TSMC A16はナノシートトランジスタ構造とバックサイド・パワーレール(裏面電源配線)を採用した。2ナノメートル製造プロセス「N2P」より処理速度が8~10%向上し、消費電力が15~20%低減する。チップの密度は2.1倍に高まる。

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 高価な次世代の高NA(開口数)「High-NA」極端紫外線(EUV)露光装置を必要としないため、コストも抑えられる。

 A16はデータセンター向け製品で、スマートフォン以外の顧客がまず採用すると説明した。

 インテルは、27年までに1.4ナノ相当の「14A」プロセスを量産する計画だ。サムスン電子も27年に「SF1.4」を量産する計画だ。

 業界では、2ナノ以降のオングストローム時代もTSMCがファウンドリー市場で優位と予想されている。

26年にCPO導入

 TSMCは同日、シリコンフォトニクス(SiPh)技術「COUPE(コンパクト・ユニバーサル・フォトニック・エンジン)」を研究開発(R&D)している段階で、25年に小型プラグインコネクター向けの認証を終え、26年には先進パッケージング(封止)「チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)」を統合したコパッケージド・オプティクス(CPO)を導入する計画だと明らかにした。

 CPOは、ムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)を超える光通信チップのキー技術といわれ、世界中の半導体メーカーが取り組んでいる。

 TSMCは、CoWoSは顧客のAI革命の鍵で、ロジックICやメモリーを3次元集積(3D IC)化すると説明した。顧客はCoWoSとSoIC(システム・オン・インテグレーテッド・チップス)やほかのデバイスを組み合わせ、システム・イン・パッケージ(SiP)化すると指摘した。

 

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